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イベント

スペシャルオリンピックス日本・東京のイベントをご紹介します。

「2005年SO冬季ワールドゲーム・長野」に参加

2005年スペシャルオリンピックス冬季ワールドゲーム長野

2005 Special Olympics World Winter Games Nagano

 

≪開会式≫

 勇壮な和太鼓の響きが地を轟かすように会場全体を揺るがすなか、SO冬季世界大会の開会式は226日夕、長野市のエムウエーブで始まりました。

 84の国・地域からのアスリート、コーチ約2,600人が、堂々の入場行進。日本選手団150人は最後に入場、SON東京のアスリートたちはスタンドからの「頑張って」の声援に大きく手を振って応えていました。

 獅子舞、式三番などの伝統芸能が披露されたあと、安川英昭冬季世界大会実行委員長、ティモシー・シュライバーSOI会長、田中康夫長野県知事が挨拶。続いて皇太子殿下が「知的発達障害の人々の社会参加が進んで、誰にも開かれた、温かみのある社会の創造が進むことを希望します」とお言葉を述べられました。

 アスリートの新垣里奈さんが「たとえ勝てなくても、頑張る勇気を与えてください」と宣誓。東京のアスリート、柴田元宏君らがスケートで滑走しながら持ち運んだ大会旗が掲揚されると、会場はにぎやかなエンターテイメントの舞台に。歌や踊りにアスリートたちも楽しそうに手拍子やリズムをとっていました。

 いよいよ聖火入場です。オリンピックメダリストらのドリームサポーターの伴走で聖火は会場を一周。最終ランナーの神原竜也君が聖火台に点火すると開会式は最高潮に達しました。

 アスリートたちは「勇気の翼」を胸に秘め、大会テーマの「Let's Celebrate Together!(皆で集い、共に楽しもう!)」を合言葉に、競技での健闘を誓い合っていました。


(文/広報委員長伊藤 博)     

  

▲聖火に触りたい!(写真提供:SONA)

 

▲日本選手団、堂々の入場(写真提供:SONA) ▲手を振る役員・来賓(写真提供:SONA)

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≪アルペンスキー≫

 アルペンスキーは、滑降・大回転・回転と、これらの種目には出場がむずかしいアスリートに10m歩行、グライド(10m直滑降)、スーパーグライド(初心者用大回転)が行われました。

 東京のアスリートは、滑降・大回転・回転の上級に五味逸太郎さん、田口麻紀子さん、安村朝英さん、中級に金子慎吾さん、初級に松村重直さんが出場しまし た。五味さんは滑降D-3で金メダル、大回転D-1で銅メダル、回転D-2で5位、安村さんは滑降D-12で銀メダル、大回転D-9で4位、回転D-11で5位、田口さんは滑降決勝で転倒し、大回転はスタート地点まで行きましたが、怖さで棄権。回転もとても慎重な滑りで5位でしたが、競技が終わった後の笑 顔にまわりの人たちはホッとしました。金子さんは滑降D-14で5位、大回転D-15で7位、回転D-14で5位、松村さんは滑降D-8で4位、大回転 D-8で銀メダル、回転D-8で5位に入りました。

 お天気に恵まれましたが、スキー場の気温は低く、日本選手団は競技用ユニフォームの上にスキーウエアを着てスタート地点に。そのウエアをゴール地点まで運んでくるコーチの姿から、アスリートがベストコンディションで競技に臨めるようにという心が伝わってきました。

 「がんばりました!」「がんばった!」とアスリートたち。表彰台では日本選手もうれしそうでしたが、喜びを爆発させる外国選手が印象的でした。
 

(文/広報委員:清原 れい子)


▲金子さんが行く

▲表彰台の金子さん

▲松村さん、大回転銀メダル

▲滑降金メダルの五味さん

▲競技を終えて、田口さん

▲松村さんの大回転スタート

▲回転 五味さんのスタート

▲回転を滑る田口さん
 

回転 安村さんGO!

▲表彰台の安村さん

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≪スノーシューイング≫

 「かんじき」のような器具を足に着け、雪の上を走り、そのタイムを競い合う。SOならではの競技です。まだまだなじみが薄いということもあり、SON東京からは石井良英さん、ただ一人の出場でした。

 石井さんは今回、200m、400m、400m×4リレーという3種目に出場。400mではディビジョン5で見事、ゴールドメダリストとなりました。しかしそうした成績もさることながら、雪を舞上げながらトラックを疾走するその姿は、とてもかっこよく、ゴールした瞬間の笑顔は、全力を出しきり素敵に輝くものでした。

 SON東京では、プログラムの存続が危ぶまれるスノーシューイングですが、今回の石井さんの活躍が引き金となり、活動がもう一度活発化すればいいですね。



(文/広報委員:峰岸 和弘)

 

           
▲金メダル、ばんざい!                        ▲鮮やかな聖火台
(写真提供:SONA)                                (写真提供:SONA)
 
  
▲石井君、がんばれ! ▲ゴールは近いぞ!

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≪スピードスケート≫

 「日野さん!もっと速く!もっと、もっと!」 代表コーチ陣が身を乗り出して声をかけます。客席には「頑張れ!」の横断幕を掲げた母、君子さんと会社の同僚たち。

 3月2日、男子スピードスケード500m決勝。東京のアスリート、日野暁生君はいつも通り、一歩一歩慎重に足を運んでいきます。でも、きょうは表情が真剣。普段の練習では、笑顔で鼻歌を歌いながらマイペースに滑っていた日野君ですが、盛り上がる会場の空気に、自然と気合が入っているようです。1周目を過ぎたあたりで、先頭のオランダの選手を抜きトップに。君子さんの「頑張れ!手振ってー!」の声に応えるように、大きく手を振り、力強く氷を蹴ります。

 2分03秒15。1着でゴール。公式自己タイムを29秒も上まわる成績でした。

 「金メダル取りました!楽しかった!」

 いつもはひょうひょうとしている日野君が、人差し指をたて、興奮した様子で放った一言。彼の人生の中で忘れられない一瞬を私も共有できたことを、心から嬉しく感じました。東京で一緒に練習していた 岡村 祐則 君も得意の333mで金メダル。重心を低くとった、きれいな滑りを見せてくれました。

 2人とも練習の成果を存分に発揮できました。感動をありがとう!

(文/広報委員:八木 里美)


▲金メダル、おめでとう!

▲行け、もっと早く、行け、日野君!

▲岡村君は500mと777mでもメダル獲得!」
(写真提供:SONA)

▲しっかり紐を結んで、いざレースへ!
(写真提供:SONA)

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≪スノーシューイング≫

 一晩中降り続いた雪が上がって、長野市内は閉会式が始まるころには青空が広がりました。14時、「よさこい・ソーラン節」の踊りなどでオープニン グ。司会のサポート役はSON東京の横山達也君と島田早恵さんが務め、コカリナの演奏にのって、競技を終えたアスリートが元気に登場しました。

 会場内にマイクがまわって、ホストタウンプログラムの受け入れファミリー、駐車場のボランティア、ファミリー、アスリートなどが感想を述べましたが、みなさんの発言から「参加してよかった!」の思いが伝わってきます。そして、SON理事長の細川佳代子さんが「今日はゴールではなくスタートです。10年後、障害のある人たちがあらゆる場面で活躍することが当たり前の 社会になっていたら、長野大会は成功と言えます」とあいさつ。SOの提唱者、ユニス・シュライバーさんの「希望・愛・平和」のメッセージ、高円宮久子さま のお言葉の後、大会旗は次期開催地のボスニア・ヘルツェゴビナへ。2年後に夏季大会が行われる上海の音楽などのプレゼンテーションなどが行われ、聖火が7 つの地域に分火されました。

 閉会宣言の後、長野各地のお祭りが繰り出し、会場は一転して静から動へ。グランドフィナーレは、1998年、長野冬季オリンピックのフィナーレを飾った 「WAになって踊ろう」。世界のアスリートたちが踊り、観客席も一体となって手拍子。にぎやかに8日間の大会の幕を閉じました。大会が無事に終了したの は、多くのボランティアの支えがあったからこそだと思います。

 2年後の夏季大会は中国の上海で、4年後の冬季大会はボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで開催されます。


(文/広報委員:清原 れい子)

  
▲いよいよ閉会式(写真提供:SONA)
 
▲日本の祭りで盛り上がり(写真提供:SONA)

▲華やかにフィナーレ

 

「2005年冬季ナショナルゲーム長野を振り返って・・・」につづく

 

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