自分を開いたら、居場所がもう一つ見つかった。

ボランティア委員会にも参加している人に聞きました

Q:はじめに、Jさんとスペシャルオリンピックスの出会いについて教えてください。

Jさん:私は離れて暮らしていますが、障害のある弟がおりまして、何か家族としてできることがないだろうかと思い、インターネットで「障害、ボランティア」というようなキーワードで検索しました。

Q:そのキーワードですと、とてもたくさんのホームページが見つかるかと思いますが、そこからスペシャルオリンピックスにたどり着いたのですね。

Jさん:そうです。やはり「オリンピック」という言葉のインパクトが大きくて、そこからホームページを見ましたら、とても生き生きとして、楽しんでいるアスリートの姿を見ることができまして、驚きました。私の知る限りで、私の弟もその周りの人たちにも、そのような生き生きと活動している姿を見たことが無かったからです。家族の立場からすれば多くの障害のある人たちにそんなふうに過ごして欲しいと思いました。

それから、障害のある人たちだけではなくて、障害のない人たちも、このようなふれあいの機会は、きっと生活を豊かにするのではないかとも思いまして、何もやらないより、やってみようと思い立ち、申し込んで、活動に参加するようになりました。

Q:ありがとうございます。Jさんは最初に参加されるようになった時は、ボランティア委員としてスペシャルオリンピックスに参加されていたとうかがいましたが。

Jさん:そうなんです。たくさんの人たちにボランティアとして知って欲しい、活動して欲しいと思ったので、ボランティア委員として参加して、説明会などにも参加していたのです。スペシャルオリンピックスに関わっている人たちはやはり多くの方がスポーツプログラムに関わっていて、ボランティアを希望される方もそういうタイプの方が多かったので、自分もやってみようと思い立ち、スポーツのプログラム、ボウリングなんですけれども、参加するようになりました。

Q:そうだんたんですね。実際に参加されていかがでしたか。

Jさん:私はボウリングとか、得意とか、そういうことではなくて、アクセスも良いから続けられそうと思って、ボウリングを選びました。そこでは、プログラムの方々がコーチの方もアスリートの方もみんなとても親切にしてくださりまして、私も得意でもないのですが、楽しむことができました。コーチの方からアスリートとの接し方とか教わりまして、もちろん家族でしたので、ある程度はわかっていたかと思いますが、一人ひとり違いますので、勉強になりました。また自分とマッチするような方を選んでくださったので、一緒に楽しみ、意思疎通ができることがとても良かったです。

そして、少しずつですが、アスリートの皆さんと距離感が縮まっていきまして、上手なアスリートから技術的なアドバイスをもらったり、本当に仲間として接してもらっている感じです。何よりもアスリートの皆さんが生き生きとしている姿が、ホームページだけではなくて、その場にありました。

Q:Jさんはスムーズにプログラムに溶け込まれたようですが、たいへんではなかったですか?

Jさん:先ほども話たように、コーチの方もアスリートの方も受け入れてくれましたけど、プログラムのコミュニティに入っていくわけですから、私も自己開示して、人とのつながりを作っていけるようには心がけました。

Q:なかなかそういうことって難しくもありますよね。

Jさん:そうですね。それでもそのようなことで、自分を振り返ったり、省みる機会になっていたかと思います。そして、何よりも、アスリートの皆さんが、真剣に、切磋琢磨して、スポーツに取り組む姿から、私は自分の生活の活力、エナジーを与えてもらっているかと思うのです。

Q:確かに、ボランティアの皆さんは、アスリートから元気をもらうと聞きますが、活力っていいですね。

Jさん:私にとって、スペシャルオリンピックスは、家でも職場でもない場所ですが、自分のもう一つの姿を出せる、純粋にその空間を楽しめる場所になっています。そういう空間にもっと多くの人たちに加わった欲しいと思っていますので、ボランティア委員としてこれからもこの活動を広めていきたいと思っています。