そこにはいつも、私を待ってくれている人がいる。

家族でボランティアをしている人に聞きました

Q:今日は、スペシャルオリンピックスの活動に家族で、ボランティアとして参加している方からお話を聞くことになりました。よろしくお願いいたします。まずはじめに、Kさん母娘は、スペシャルオリンピックスのどのような活動に参加しているのか、教えてください。

娘:水泳とアルペンスキーに参加しています。

母:私も同じです。それからコロナ禍では、MDPも何度か参加しました。

Q:そうなんですね。それでは、Kさん母娘が、スペシャルオリンピックスの活動に参加するきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

娘:うちは、お父さんがスキーのプログラムに参加していて、家族でスキーをやっていたので、私たちも参加するようになりました。

母:スキーについては、娘と同じです。水泳は、スキーのプログラムに参加する中で、自分は水泳が好きなので、水泳にも興味を持ち、参加するようになりました。

娘:私も水泳が好きなので、一緒に参加しました。それでいとこも見学に来て、しばらく一緒に参加しました。

母:水泳のプログラムに参加したもう一つの理由は、私はスキーのプログラムではスキーが上手ではないので、教えることができず、アスリートのあとからついてくるだけだったので、水泳ならもう少し何かできるかと思って、よりアスリートと一緒に活動ができると思って参加しました。実際には特にできることはないのですが、アスリートとしっかりかかわれるかと思っていました。

Q:確かにプログラムによって違いがありますよね。それでは、Kさん母娘にとって、スペシャルオリンピックスのボランティア活動をしていて楽しいことやうれしいことはありますか?

娘:アスリートの人がプログラムで、私のことを待っていてくれるのはうれしいですし、アスリートの人にスキーを教えるだけではなく、コーチの人から私にもスキーを教えてもらえるのは楽しいです。それと、スキーのプログラムでは、リフトでアスリートの人とおしゃべりするのは楽しいです。

Q:リフトではどんなおしゃべりをするのですか?

娘:アスリートのMさんのやっている他のプログラムのこととか、リフトから見える動物の足あとのこととか、夜ご飯のこととかを話します。

母:合宿は楽しいです。いっしょにご飯を食べたり、長い時間を過ごして、アスリートの人のマイペースで、好きなものをもくもくと食べたり、自然な姿を見られるのは楽しいです。競技でひたむきに頑張る姿と、日常のほっとした姿を両方見られるのはいいですね。

娘:合宿のおやつをもらう時も、最年少の人どうぞ、とアスリートの人が譲ってくれたり、優しいです。あと、大会に応援に行って、アスリートの人が優勝したのはうれしかったです。

Q:大会の応援にも行ったのですね?

娘:はい、北海道に行きました。自分のお土産にシマエナガのぬいぐるみを買いました。大会に行く前に羽田空港でアスリートの人に会えて、手を振って、「がんばってね」って言ったら手を振ってニコニコしてくれました。大会の会場ではがんばれって応援しました。

母:その時はアスリートの人がとてもいい笑顔をしてくれました。うれしかったり、ホッとした表情を見せてくれましたね。

娘:水泳では、私は水泳が好きなので、コーチの指示通りに先頭でお見本を見せるのは緊張するけど、楽しいし、気持ちいいです。

母:確かに、娘は、いきいきと泳いでいますね。私は寒いので、体を冷やさないように動いて、ウォーミングアップをしっかりしています。

娘:練習の前後で、泳げるのも楽しいです。

Q:それでは、何か、スペシャルオリンピックスのボランティア活動をしていてたいへんなこととかはありますか?

娘:アスリートの人が言っていることが聞き取れなかったり、やっていることがわからなかったりするのは困りました。独り言とかが多くて、たまにびくっとすることがあります。

母:特に水泳では、自閉傾向のあるアスリートにコーチの指示がうまく伝わらなくて、少しパニックになってしまう時に、どうすればいいのか考えてしまうことがあります。思いがうまく伝え合えない時にさみしい思いをすることがあります。水泳でも合宿があれば、もっとアスリートの人と仲良くなれたり、よく理解できたりするかと思います。でも水泳のアスリートの人は、娘にはよく声をかけてくれます。娘がいないとアスリートの人から「今日は娘さんはいないのですか」と聞かれます。

娘:アスリートの人からは、誕生日とか、何年生とか聞かれます。名前を漢字で書いてほしいとか言われたこともあります。

Q:そうなんですね。そういうアスリートの人たちとかかわっていて、何か思い出すことはありますか?内容が先ほどのことと重なってしまうかもしれませんが、何かありますか?

娘:スキーのアスリートの人と合宿に行けるのは一番楽しいです。みんなと一緒にスキー滑ったり、ご飯食べたり、お楽しみ会で競技の練習をしたりするのは楽しいです。あと、アスリートの人は私みたいに疲れたとか言わないで、頑張っているのはすごいと思いました。

母:スペシャルオリンピックスへの参加ですが、子どもと一緒に参加すると敷居が下がって、親近感、親しみ具合が変わるように感じます。子どもが一緒というだけで、親しみ、安心感を持ってくれる、コーチということではなく、仲間という感じで接してくれるので、もちろん一人でも行きますが、子どもと一緒に参加できるのは、アスリートの人と自然とかかわるので、いいと思います。アスリートが子どもを大事にしようとか、大切に接してくれるのは、それを見ているファミリーやコーチにとってもいいように思います。

Q:そうなんですね。それでは、これからスペシャルオリンピックスで何かやってみたいような活動がありますか?

娘:また合宿に行きたいです。それとアスリートの人と楽器を演奏してみたいです。

母:水泳は合宿がないので、継続的にあって関係が作れて、スキーはシーズンなので、合宿でしか会えないけど、また会えたねという喜びがあります。それぞれの良さがあるので、両方大事にしたいです。そういう中で、両方のプログラムに参加しているアスリートの人と会えるのはうれしいですね。それから、水泳の年少のアスリートの水に慣れるというようなプログラムをやってみたいです。水慣れ、水遊びからはじめてみたいです。

娘:そうそう、プールでもっと追いかけっこしたり、もぐりっこしたり遊びたい。

Q:なるほど。それでは、Kさん母娘から、まだスペシャルオリンピックスに参加したことのない人たちにメッセージはありますか?

娘:アスリートの人の頑張っている姿とか、熱心な姿を見てほしいです。

母:娘にアスリートの人はどんな人って聞いたら、やさしいって答えました。もし一人で参加することにためらいを感じる人がいたら、家族やともだちを誘って参加してみることをおすすめしたいです。自分が何かするというより、自分が好きなスポーツに余暇を過ごすつもりで参加したらいいんじゃないでしょうか、そういう気持ちで入ってもらえるといいと思います。

娘:私の友だちとかも、まだみんな知らないし、やってみないとわからないので、挑戦してほしい、チャレンジしてほしいです。私も最初は障がい者がやさしいとかわからなかったし、ちょっと違う雰囲気があったけど、やってみて、アスリートの人がやさしいとか、そういう雰囲気に変わったので、やってみてほしいです。

Q:家族でボランティアに参加するスタイルの良さをお聞きすることができました。ありがとうございました